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トイガン文化を守る会代表 中嶋博行(弁護士・作家)


【質問1】簡単に自己紹介をお願いいたします


 トイガン文化を守る会の代表を務めている中嶋です。肩書きは弁護士と作家ですけど、そっちの自己紹介はまた別の機会ということで、きょうは「守る会」に関してお話しします。
 トイガン文化を守る会は、トイガンという玩具、そしてそれを使った遊びを安全に楽しむために発足した会です。一昨年来、社会を騒がせた違法エアガン事件のあおりで、極端な話し、トイガンは消滅の危機にありました。このままでは大変なことになる。おもちゃ文化のひとつとして、きちんと次世代に残したいという思いからスタートしました。
当時、私はソフトエアガン安全会議の理事で、トイガン業界とも関わりがありましたから、警察庁のエアガン規制の情報も比較的早くキャッチしました。トイガン文化を守る会はユーザーの立場から立ち上げたものです。個人的にもエアソフトガンが好きなので代表を引き受けています。
現在、「守る会」の会員は直木賞作家の逢坂剛さんや映画監督、トイガン業界で活躍しているライター、イラストレイター、マンガ家の方など8名です。皆さんトイガンに深い愛情をもっていて、会の活動にも積極的に参加していただいています。本当にありがたく思っています。

【質問2】いつごろからトイガンに興味を持っていたのですか?


 ず〜っとまえです。中学生のころ、アメリカのTVドラマに「0011ナポレオン・ソロ」というスパイ物がありました。ワルサーP38にストックやバレル、サイレンサー、ロングマガジンを装着してスペシャル・カービンにした銃が登場するのですが、これが欲しくて、欲しくて。たしか、1万円でモデルガンがでていました。とても買えませんでした。それがいまもひっかかっていて、ガンマニアをしています。(笑)
 まあ、もともと男の子にとってガンは魅力的な存在ですから、気がついたらトイガンの世界にハマっていました。昔はいまみたいなエアソフトガンじゃなくて、モデルガン全盛の時代です。コレクションして眺めて撃って楽しんでいました。でも、モデルガンは大きな規制が何度かあったでしょ。とんでもない色に塗られてしまって、一時期、トイガンの趣味から遠ざかっていました。

【質問3】エアソフトガンやサバイバルゲイムを始められたきっかけなどありましたか?


 しばらくはモデルガンから離れて普通の生活(笑)を送っていたわけです。ただ、10年くらいまえに住んでいたマンションで、時々怪しげな集団を見かけましてね。迷彩服を着た人が何人もウロウロしている。マンションの中ですよ。最初はなんだろう? っていう感じでしたけど、そのうちにマンションのオーナーがガン好き、しかもゲイマーだとわかりました。そのマンションの住人でチームができていたんですよ。よかったら参加しないかって誘われましてね。月に何度かはマンション内でインドアゲイムでしたね。(笑)
 当事は公園でもゲイムを楽しめて、いまから考えると大らかな時代でした。
 サバイバルゲイムというか、トイガンの趣味に戻ってきて、何よりも驚かされたのはエアソフトガンです。ガスガンって、ブロゥバックしてBB弾も発射できるでしょ。モデルガンは当然、弾は出ませんから、エアソフトガンにはカルチャーショックを受けました。

【質問4】サバイバルゲイムで何か記憶に残る思い出のようなものがあればお願いします


 実は、私はサバイバルゲイムとエアソフトガンに命を救われているのです。
仕事で徹夜したり、心身ともにストレスがかかって、私の生活はけして健康的とはいえないものでした。そんな状態でサバイバルゲイムに参加する。気持ちは高まっても身体はついていきません。フェイスマスクをつけて全力疾走したとき、酸欠になって、気を失ったことがありました。
 心臓への負担も大きかったんだと思います。タバコもたくさん吸っていました。このままでは狭心症まちがいなしです。そうなるとゲイムで活躍するどころか、参加もできなくなる。
 と思ったら、その日のうちにスパッとタバコをやめられました。それまで1日に2箱吸っていましたから、自分でも驚きです。サバイバルゲイムは健康の神様ですよ。(笑) ゲイムでの体力をきたえるために、ジョギングや筋トレも始めました。もう10年になります。
 好きなことをして、楽しんで、それで健康にもなれた。エアソフトガンもサバイバルゲイムも、私にとっては命の恩人です。だからいま、トイガン文化を守る会をやっているのは、その恩返しみたいな気持ちですね。

【質問5】「改正銃刀法」とはどういったものなのか簡単にご説明ください


 これは、説明をするよりもトイガン文化を守る会のホームページを観ていただいた方がわかりやすいとは思います。簡単にいうならば、違法なエアガン(準空気銃)とおもちゃのエアソフトガンの境界を0.98Jという数値で明確に区別した法律です。けしてエアソフトガンを禁止する話しではなく、エアソフトガンで遊べる趣味の世界を明確化した法律です。
 いままでエアソフトガンに関して何の規制も無かったわけですから、そこに法律ができたと聞けば、「不必要に制約を受けるのでは‥‥」と感じるユーザーの方もいるかもしれませんけど、そんなことはありません。一定の線引きは、エアソフトガンのファンを守るという意味があります。
 一定の基準以下のパワーであれば自由に所持ができる。もちろん撃って遊ぶこともできる(安全性に配慮した上で)。いわば、エアソフトガンが「合法化」されたわけですから、この意味は大きいと思います。
 ただ、気をつけるというか、知っていて欲しいのは、エアソフトガンに関する法規制、特にパワー規制値ですけど、今回の改正銃刀法で認められた0.98Jが未来も約束された数値ではないということです。
 現時点では、0.98J以下のパワーであれば所持も売買も自由に行えるという話であって、先々、パワーはもちろん、他の部分でもエアソフトガンを取り巻く環境は変化するということです。モデルガンも複数回にわたって規制が行われましたからね、それがエアソフトガンにも起こりえるわけです。
 だからこそ、トイガン文化を守る会の活動は今後も続けていきたいと思っています。

【質問6】今後の目標などありましたら、教えてください。


 まず、法律の遵守、安全性や環境保護といった基本姿勢は今後も重視していきます。それと、明るい話題づくりもしていきたいですね。いま、メーカーや専門誌などトイガン業界が力を合わせて、サバイバルゲイム大会やシューティングマッチを開催していただけるように要請しています。日本中のファンが元気になるようなイベントが定例化されれば最高です。
これから「守る会」もトイガンの楽しさをどんどんアピールしていきます。もう射撃大会とかやっていますよ。ぜひ、サイトをごらんください。

中嶋博行 プロフィール

トイガン文化を守る会代表としてエアガンファンに広く知られるが、
本業は弁護士、作家として多忙な日々を送る。
乱歩賞「検察捜査」、弁護士マンガ「ホカベン」の原作担当、
最新作は「君を守りたい・いじめゼロを実現した公立中学校の秘密」朝日新聞社刊。
幼少の頃よりトイガンに興味を持ち、現在はサバイバルゲイムのチーム主催者でもある。
ソフトエアガン安全会議の常務委員。


戻ります。
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