日本ではこれまで経済を引っ張ってきた「団塊の世代」の方々が一斉に定年退職を迎えられた事で、「2007年問題」等と取り沙汰された今年。まずシルベスター・スタローン(60歳)が長年に渡る無理(※薬物使用の疑惑もあり)が祟った痛々しい身体をさらけ出しつつも“ネバー・ギブ・アップ!“の精神を感動的に描いた『ロッキー・ザ・ファイナル』が大ヒット! 続いて『ダイハード4.0』ではブルース・ウィリス(52歳)が12年ぶりにマクレーン役に復帰! 髪の毛が1本も残っていないハンデ(?)も“そんなの関係ネェ〜!”とばかりに吹っ飛ばし、これまた大ヒットを記録した。
そんな流れに乗ってか、スティーヴン・セガール(56歳)のアクション映画3本が『オヤジの映画祭』と銘打って公開される。ラインナップはルーマニアで撮影された特殊部隊モノ『沈黙のステルス』、『沈黙の激突』の2本と、LAの黒人ギャング街を舞台に、警官の息子を殺された父の復讐劇『沈黙の報復』の3本だ。石井は『〜激突』と『〜報復』の2本を観たが……。
今年、スタローンやウィリスの頑張りが輝いて見えたのは、彼らが出世作のロッキーやダイハードで手に入れたキャラクターに甘んじることなく、いや、むしろそのイメージから脱却すべく本格ドラマ、コメディ、悪役等、様々な役柄に挑んできたからだと思う。中に
はヒットした作品もあったし失敗作もあったが、まさしく“人生色々を経たオヤジ”として熟成・認知されての原点復帰だったからこそファンは喜んだのではないか?
また、「家族の愛」や「世代間のギャップ」といった一種お約束なテーマにしても、アクションのスパイスとしてうまく盛り込んでこそ観客も感情移入できようというもの。それに何といっても悪役、敵役が手強くなければアクション映画、ヒーロー映画が成立するわけもない。